「副業で稼げるようになったら独立する!」
SNSでよく見る宣言ですよね。キラキラしたフリーランスが「脱サラ最高!」と語る投稿。朝カフェでMacBook開いてる写真。あれを見て「俺もいつかは…」と思ったことがある人、正直に手を挙げてくださいw
はい、僕も一瞬チラついたことあります。一瞬だけ。
でも、冷静に計算してみたら会社員を辞める理由がマジで見つからなかった。
会社員には、額面の給与に載らない”見えない年収”がある。社会保険の会社負担、厚生年金、信用力…これを全部捨ててまで独立する意味は、よほどのことがない限りない。副業で月数万円稼げたくらいで「脱サラだ!」は、計算できてないだけやと思ってます。
この記事では、外資コンサル×副業ブロガー(収益0円)の僕が、なぜ本業を辞める気がゼロなのかを数字で見せながら話します。収益0円の人間が語る副業論、逆にリアルでしょw
会社員には”見えない年収”がある
結論から言うと、額面の給与以外に年間100万円以上の”見えない報酬”を会社が負担してます。
毎月の給与明細を見て「手取り少なっ」と思ったことがある人は多いと思う。社会保険料やら税金やらでゴリゴリ引かれて、「働いた割に残らんな…」と。分かる。
でも、あの給与明細に載ってない報酬がまだある。しかもかなりデカい。これを知らずに「独立した方が手取り増えるやろ」と思ってる人、ちょっと待ってほしい。
社会保険料、会社が半分払ってるの知ってる?
会社員の社会保険料は、労使折半。つまり会社が半分負担してます。
年収500万円の場合、社会保険料(健康保険+厚生年金+雇用保険)は合計で年間約140万円。このうち約70万円を会社が払ってる。給与明細には自己負担分の約70万円しか出てこないから、会社負担分は完全に”見えない報酬”。
独立したらどうなるか。全額自腹です。
国民健康保険は自治体によって違いますが、同じ所得なら会社員時代より高くなるケースがほとんど。しかも会社負担分がゼロになるので、実質的に保険料が倍になる感覚。「独立したら自由だ!」とか言ってる場合じゃないw
厚生年金 vs 国民年金。月9万円の差
将来の年金受給額の差、知ってますか。
- 厚生年金: 平均月額約14.7万円(厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)
- 国民年金のみ: 満額でも月約6.8万円(令和6年度。実際の平均受給額は約5.7万円)
差は約8万円、年間で約96万円。
独立してフリーランスになると、厚生年金から外れて国民年金のみになる。iDeCoや国民年金基金で上乗せできるとはいえ、それは自分の追加出費。会社員なら黙ってても厚生年金に入ってる。
「年金なんて将来もらえるか分からんやん」って声が聞こえそうですけど、制度が多少変わっても厚生年金と国民年金の格差自体がなくなるわけじゃない。もらえる額が減ったとしても、差は残る。会社員の方が有利なのは変わらんのです。
福利厚生は”もらってる年収”に含まれてない
会社によって差はありますが、福利厚生もバカにならない。
僕の場合:
- 家賃補助: 月3万円(年間36万円)
- 団体保険: 死亡時2,500万円+入院5日目から日額5,000円。これを個人で終身保険に入ったら月2万〜4万円かかる。親より先に死んだら親に2,500万円入るという究極の親孝行。いや、先に死んでる時点で親不孝かw
- 退職金積立: 毎月積み上がってる
- 提携ホテル割引: 全国の提携ホテルがプライベートでも半額くらいで使える
- 健康診断(人間ドック): 年1回無料。個人で受けたら数万円
- 資格取得補助金: 勉強代を会社が出してくれる
- 有給休暇: 年20日。つまり約1ヶ月分は働かなくても給料が出てる(全部消化できるかは別としてw)
これ、全部額面の年収に入ってないんですよね。でも実質的にはもらってるのと同じ。書き出してみると「こんなにあったんか」と自分でも引くレベル。
あと地味にデカいのが出張費。会社員なら交通費も宿泊費も持ち出しゼロ、さらに出張手当(日当)まで付く。フリーランスだと全額自腹で立て替えて、経費にはなるけど戻るのは税金分だけ。同じ出張でも会社員は手当でプラス、フリーランスはキャッシュアウト。この差は意外と見落とされがち。
固定費の記事でも書きましたが、僕の固定費が安いのは福利厚生がかなり効いてるから。家賃補助3万円がなくなったら固定費が月9万円に跳ね上がる。独立したら福利厚生ゼロ。全部自分で負担。
「年収800万のフリーランスと年収600万の会社員、どっちが手取り多い?」
福利厚生込みで計算すると、意外と会社員の方が残るなんてケースはザラにあります。
信用力。ローン・クレカ・賃貸、全部有利
お金の話だけじゃない。信用力の差がエグい。
- 住宅ローン: 会社員なら通りやすい。フリーランスは独立3年未満だと審査がかなり厳しい
- クレジットカード: 会社員の方が審査に通りやすい
- 賃貸契約: 個人事業主は断られるケースがある
僕が中古一軒家を買えたのも、会社員だったから。外資コンサルに転職して数ヶ月でローン審査が通った。勤続年数ほぼゼロでも「会社員」というだけで通るんですよね。これがフリーランスだったら「3年分の確定申告を出してください」で門前払いですw
これから家を買いたい人、車のローンを組みたい人は、会社員のうちにやっとけ。マジで。独立してからだと最初の数年は身動きが取れなくなる。
独立した場合の収支、冷静に計算してみた
副業月20万でも、手取りにすると会社員時代より確実に減ります。
「副業で月20万稼いでるから独立しても大丈夫やろ」。この考え、甘い。めちゃくちゃ甘い。
副業月20万でも手取りはこうなる
副業月20万 = 年収240万円で独立した場合、ざっくり計算するとこうなります。
| 項目 | 年間コスト(概算) |
|---|---|
| 国民健康保険 | 約25万円 |
| 国民年金 | 約20万円(月16,980円 × 12ヶ月) |
| 所得税 + 住民税 | 約20万円(経費・控除後) |
| 合計 | 約65万円 |
年収240万円 − 65万円 = 手取り約175万円。月に直すと約14.6万円。
しかもこれ、事務所の家賃とか会計ソフトとか、事業運営にかかる固定費を入れてない。入れたらさらに減る。ちなみに僕は確定申告用にfreee会計
を使ってるけど、こういう固定費も独立したら全部自腹。
会社員で年収500万なら、手取りは月30万円前後。副業月20万で独立しても、手取りは半分以下。自由を手に入れた代わりに、手取りが半分になりました。これを「成功」と呼べるかどうかw
そもそも副業で月10万稼いでる人すら全体の14%
ここまで「副業月20万」で計算してきましたけど、そもそもその月20万に到達してる人がどれだけいるかという話。
dodaの副業実態調査(2024年、15,000人対象)によると、副業をしている人のうち月収10万円以上は約13.8%。月1万円未満が48.1%で最多。つまり月20万に到達してる人は全体のほんの一握り。
「副業で独立!」と語れるステージに立ってる人自体が、そもそもめちゃくちゃ少ない。SNSで見かける成功者は、生存者バイアスの塊です。失敗した人はわざわざ「独立して失敗しました」とは投稿しないですからね。
ちなみに僕のブログ収益は0円ですw 始めたばかりなので当然ですが、この状態で「独立します!」とか言い出したら頭を冷やしてくれと誰かに殴られるレベル。
個人事業主、10年で約9割が廃業
さらに怖いデータがあります。
中小企業白書(2006年版)によると、個人事業主は開業から10年で約88%が廃業している。企業全体(法人含む)でも5年後の生存率は81.7%(2017年版中小企業白書)。法人ですら2割が消える世界で、個人事業主はもっとシビアということ。
これ、めちゃくちゃ重い数字ですよね。「副業でちょっと稼げたから」で飛び込むには、あまりにもリスクが高い。
もちろん、しっかり準備して計画的に独立した人はこの数字より高い生存率だと思います。でも「なんとなく独立」した人がこの数字を押し下げてる現実は知っておいた方がいい。
副業の本当の価値は「辞めるための踏み台」じゃない
副業は本業を辞めるためじゃなく、本業を強くする武器として使え。 経費メリット、スキル還元、キャリアの保険。この3つが、会社員のまま副業をやる本当の旨み。
ここまで散々「独立やめとけ」と書いてきたけど、副業自体を否定してるわけじゃない。むしろ副業はやった方がいい。ただし、「独立するための踏み台」として考えるのはもったいなさすぎる。
経費で趣味を楽しめる仕組みになる
副業を個人事業として届け出ると、事業に関連する支出が経費になる。
僕の場合、ブログ運営に関連するものがこれから経費にできる(予定):
- 旅費: GR86のドライブ旅行。ブログのネタ取材として
- ガジェット代: レビュー記事を書くなら経費
- カフェ代: ブログ執筆のための作業場所として
つまり、趣味を事業化することで、趣味の一部が経費になる。サラリーマンの給料だけだとこれはできない。副業をやる最大のメリットの一つは、この「経費という名の合法的な節税」やと思ってます。
独立しなくても、会社員のまま個人事業主として開業届を出せばいい。両方のいいとこ取り。会社員の安定 + 副業の節税メリット。 これが最強の布陣。経費の管理はfreee会計
に丸投げしてるので、手間もほぼゼロ。
スキルが本業に還元される
副業で身につくスキルって、意外と本業にも使えます。
ブログを書いてると、こういうスキルが自然と鍛えられる:
- ライティング: 分かりやすい文章を書く力。報告書やメールの質が上がる
- マーケティング思考: 「誰に」「何を」「どう届けるか」を考える癖がつく
- SEO / データ分析: 数字を見て改善する思考。コンサルの仕事と相性がいい
正直、僕はまだブログを始めたばかりなので「本業にめちゃくちゃ還元されてます!」とは言い切れない。でも、少なくとも「何かを発信する」という行為自体が、情報を整理して人に伝える訓練になってる実感はある。コンサルの仕事って結局「複雑なことを分かりやすく伝える」のが本質なので、ブログと根っこは同じなんですよね。
「副業やってます」は名刺になる
地味に大きいのがこれ。
副業をやっていること自体が、キャリアの保険になる。
- 転職活動で「副業でブログ運営してます」は差別化ポイント
- 発信力がある人材は、企業から見ても魅力的
- 万が一本業がダメになっても、副業という逃げ道がある
消防士を辞めた記事でも書いたけど、僕は常に人生に逃げ道を残しておきたいタイプ。「いつでも辞められる」「いつでも方向転換できる」という選択肢を持っていること自体が、精神的な安定につながる。
副業は、その「逃げ道」を作る手段として最強。独立するためじゃなく、独立できる状態を保つために副業する。実際に辞める必要はない。選択肢を持っておくことに意味がある。
それでも独立したいなら、最低ラインはここ
感覚で辞めるな。最低でもこの3つをクリアしてから。
ここまで散々「会社員最強」と書いてきたけど、それでも独立したい人はいるでしょう。僕はそれを止める気はないです。計画的な独立はむしろ応援したい。
ただし、「なんとなく」で辞めるのだけは絶対にやめてくれ。
副業収入が6ヶ月以上連続で生活費を上回っている
「先月たまたま20万いった!」じゃダメ。6ヶ月以上連続で副業の収入だけで生活費を賄えているかどうか。
副業収入は波がある。いい月もあれば悪い月もある。1〜2ヶ月の好調で判断するのは危険すぎる。半年以上安定して稼げているなら、再現性がある証拠。逆に、まだ半年の実績がないなら、もう少し待て。焦って辞める理由はない。
生活費1年分の貯蓄
独立後、収入がゼロになる月があっても生き延びられるか。
副業収入だけで生活費をカバーできていても、独立した瞬間に収入の構造が変わる可能性がある。会社の看板がなくなることで仕事が減るケースもある。そのバッファとして、最低でも生活費1年分の貯蓄は確保しておきたい。
月の生活費が20万なら、240万円。これがないなら、まだ独立するタイミングじゃない。
会社の看板なしで仕事が来るか
これが一番大事かもしれない。
今の副業収入、本当に「自分の力」で稼いでるか?
会社の肩書きや人脈があるから仕事が来てるケースは多い。「○○社の△△さんだから頼んでる」であって、「フリーランスの△△さんだから頼む」ではない。会社の看板を外した瞬間に仕事がなくなる可能性を、冷静に見積もってほしい。
ブログやアフィリエイトのように、会社の看板と無関係に収益が出る副業なら、このリスクは低い。でも、コンサルや受託のように人脈ベースの仕事は要注意。
3つ全部クリアしてから考えても遅くない。 というか、3つクリアしてる時点でかなり優秀なので、その人はどこでもやっていけると思いますw
まとめ
副業で稼げるようになることと、本業を辞めていいことは全く別の話。
- 会社員には年間100万円以上の”見えない年収”がある
- 独立したら社会保険・年金・福利厚生・信用力を全部失う
- 副業月20万でも、手取りにすると会社員時代より確実に減る
- 副業の本当の価値は「辞めるため」じゃなく「本業を強くする武器」
会社員 + 副業の掛け算が最強。
本業の安定した収入と福利厚生をベースにしつつ、副業で経費メリットとスキルアップと逃げ道を手に入れる。どっちかじゃなくて、両方取り。欲張りでいいんです。
ギアを上げるのは「辞める」ことじゃない。会社員という1速に副業という2速を加えて、加速すること。7速ギアを探す旅は、会社を辞めなくても始められます。
僕はまだブログ収益0円の人間ですが、だからこそ言えることがある。稼げてない今の段階で「独立だ!」とか言い出さないくらいの冷静さは、たぶん最低限必要ですw
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