会社員が使える節税まとめ。手取りを増やす制度を全部整理する

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会社員って、給料から問答無用で税金が引かれますよね。

所得税・住民税・社会保険料……と差し引かれて、実際に手元に来るのは額面より2〜3割くらい少ない。「税金を払うのが仕事みたいになってるな」と感じている人も多いんじゃないかと思います。

ただ、会社員でも使える節税制度は8つあります。全部やる必要はないし、全部に該当するわけでもない。でも、自分がどれに該当するのかを知らないまま放置していると、年に数万〜数十万円を毎年捨てているのと変わらない。

この記事では、節税制度8つを一覧で整理します。NISA・iDeCoは誰でも検討すべき「投資型節税」の2軸、残りの6つはライフイベントや状況次第で使う制度。まずは全体像を掴んでもらえれば。

なお、ふるさと納税は厳密には「節税」ではなく「税金の振り替え+返礼品」という仕組みなので、この記事のスコープからは外しています。「本来払う税金を別の自治体に納めて返礼品をもらう」制度で、手取りが増えるわけではないのが理由です。

資産形成全体のロードマップは会社員の資産形成、やること全部まとめ。固定費・入金力・投資・複利・節税を全部つなげるに整理しているので、まだ読んでいない方はそちらも合わせてどうぞ。

会社員が使える節税制度を一覧で

まず全体像から。会社員が使える節税制度を表にまとめました。

本表の前提: 年収500〜700万円(所得税率10〜20%・住民税10%)の会社員を想定しています。年収が高くなるほど節税額も大きくなります。

並び順は「年次手続きの手間でグループ分け(申告不要 → 年末調整 → 確定申告)+各グループ内で節税額の大きい順」にしています。手間がかからない制度ほど上位に置くことで、実際の手続きの重さがイメージしやすいようにしました。

制度年次手続き節税額/年(目安)対象者種類
NISA申告不要運用益非課税(長期で大きい)投資する人全員運用益非課税
住宅ローン控除年末調整 ※初年度のみ確定申告約10〜35万円マイホーム購入者税額控除
iDeCo年末調整約4〜8万円老後資金を意識する人所得控除+運用益非課税
配偶者控除・扶養控除年末調整約4〜8万円家族構成による所得控除
生命保険料控除年末調整約2〜4万円生命保険加入者所得控除
地震保険料控除年末調整約5千〜1万円地震保険加入者(持ち家中心)所得控除
医療費控除確定申告約1〜5万円年10万円超の医療費所得控除
セルフメディケーション税制確定申告約1〜2万円市販薬を年1.2万円超購入所得控除

用語補足

  • 所得控除(しょとくこうじょ): 課税対象となる所得そのものを減らす控除。所得税率が高い人ほど効きが大きい
  • 税額控除(ぜいがくこうじょ): 計算後の税額から直接差し引く控除。所得税率に関係なく一定額減る。住宅ローン控除はこちら
  • 年末調整: 勤務先が年末に行う税額精算手続き。必要な控除証明書を会社に提出するだけで対応できる
  • 確定申告: 自分で税務署(またはe-Tax)に申告する手続き。年末調整では対応できない控除はこちら

内訳を整理すると、申告不要1つ(NISA)/ 年末調整で完結5つ / 確定申告が必要2つ。会社員にとっては、年末調整で済む制度がほとんどです。特別な手続きなしで使えるものが多いのは、会社員のちょっとした特権だと思います(使えてないと損ですが)。

まず始める2つ|NISA・iDeCo(投資型節税)

NISA と iDeCo はほぼ全会社員が検討すべき2大投資型節税です。2つを並列で紹介しているのは理由があって、どちらを優先するかは「流動性」「所得税率」「老後資金の優先度」によって変わるから。一方的にどちらか優先と言えるものではないので、両方の特徴を見た上で判断してください。

NISA(非課税で運用するだけ)

NISAは、証券口座の1種類です。一般的に株や投資信託の運用益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内の運用益は非課税になります。

  • 手間: 証券口座開設を1回やるだけ。その後は積立設定で自動運用もできる
  • 節税効果: 長期運用で大きい(運用益がゼロ税率になるため、複利の恩恵が最大化する)
  • 非課税枠: 年最大360万円の投資分が、無期限で非課税
  • 向く人: 流動性を確保したい・投資を始めたばかり・所得税率が比較的低い(年収が中程度まで)

いつでも引き出せる流動性が確保されているので、「老後まで引き出せない」というプレッシャーがないのが特徴です。

iDeCo(所得控除が大きい)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を積み立てながら節税できる制度です。掛金の全額が所得控除(課税対象の所得を減らす)になるのが最大の特徴。

  • 手間: 金融機関選びと初回設定が必要。年末調整での証明書提出は毎年必要
  • 節税効果: 大きい(掛金全額が所得控除。所得税率20%なら掛金の20%が翌年に還付されるイメージ)
  • 向く人: 老後資金を確実に積み上げたい・所得税率が高い(年収が高いほど節税効果が増す)・60歳まで引き出せない制約を許容できる

所得税率が高い人ほどiDeCoの効きが大きくなります。「老後まで引き出せない代わりに、今年の税金が返ってくる」という性質です。

NISA / iDeCo の使い分け(簡易ガイド)

どちらを先に使うか迷うなら、以下の目安で判断してください。

状況向く選択
流動性を確保したい・投資を始めたばかりNISA寄り
老後資金を確実に積み上げたい・所得税率が高いiDeCo寄り
余裕があって両方使いたいNISA(流動性あり)+iDeCo(老後固定)の2軸

「NISA か iDeCo か」というより、「NISA で流動性ある投資、iDeCo で老後資金の固定積立」として2軸で使うのも全然アリです。どちらの口座を使うかの詳しい話は投資の入れ物 NISA・iDeCo・特定口座の使い分け|会社員の選び方に整理しているので、口座選びで迷った時はそちらを。

その他の節税制度(該当する人だけ)

残りの6つは「持ち家がある」「医療費がかかった」「保険に入っている」など、ライフイベントや状況で該当/非該当が変わる制度です。全部やる必要はなく、自分が該当するものを知っておいて、タイミングが来たら使えばOK。

住宅ローン控除

マイホームを住宅ローンで購入した人が使える制度です。節税制度の中で効きが最も大きく、年最大35万円が税額控除(税額から直接差し引き)で戻ってきます。税額控除なので、所得税率に関係なく一定額が確実に返ってくるのが強み。

  • 対象: マイホーム購入者(住宅ローン残高が基準)
  • 手間: 初年度のみ確定申告が必要。2年目以降は年末調整で自動処理
  • 節税額目安: 年約10〜35万円(住宅ローン残高と控除率次第)
  • 10年または13年間、控除が続く

初年度に確定申告を1回やってしまえば、翌年以降は年末調整で完結するので手間は少ないです。

医療費控除

家族合算で年間10万円を超えた医療費を、確定申告で控除できる制度です。

  • 対象費用: 通院・入院・処方薬・市販薬の一部・公共交通機関の通院費
  • 手間: 毎年確定申告が必要(e-Taxで完結できる)
  • 節税額目安: 年約1〜5万円(医療費の規模次第)
  • 共働き世帯は、所得が高い方でまとめて申告するのが基本(控除効果が大きくなる)

「10万円も使ってない」という年はスキップでOK。出産・手術・歯科矯正等で医療費がかさんだ年に使う制度です。

セルフメディケーション税制

市販薬を家族合算で年1.2万円を超えて購入した場合に使える控除です。医療費控除との選択制(同じ年に両方は使えない)なので、年間の医療費が10万円未満の年にセルフメディケーション税制の方が向く場面があります。

  • 対象: 特定の市販薬(OTC医薬品)の購入費
  • 手間: 確定申告が必要。レシートの保管が必要
  • 節税額目安: 年約1〜2万円

ドラッグストアのレシートに「セルフメディケーション税制対象品」と書かれている商品が対象です。毎年薬局代がそこそこかかっている人は確認してみる価値あります。

生命保険料控除

生命保険・介護医療保険・個人年金保険に加入していると、支払った保険料が所得控除になります。

  • 対象: 各種生命保険の加入者
  • 手間: 保険会社から届く「控除証明書」を年末調整に添付するだけ
  • 節税額目安: 年約2〜4万円(3区分=生命・介護医療・個人年金、各上限4万円)
  • 節税効果は小さめ。これ目的で保険に入るのではなく「入っているなら申告する」制度

控除証明書が届いているのに捨てている人、意外と多いですよね。年末調整で一緒に出すだけなので、手間はほぼゼロです。

地震保険料控除

地震保険に加入していると、支払った保険料の全額が所得控除になります(年間保険料が5万円を超える部分は上限5万円まで)。

  • 対象: 地震保険加入者。持ち家の人が該当者として多い
  • 手間: 控除証明書を年末調整に添付するだけ
  • 節税額目安: 年約5千〜1万円程度(所得税率20%なら年1万円前後)
  • 火災保険のセットとして地震保険に入っている人も対象

節税効果は小さいですが、持ち家持ちの会社員は該当することが多い制度。控除証明書が届いたら捨てずに年末調整に出す、それだけです。

配偶者控除・扶養控除

配偶者や扶養家族がいる場合に適用される控除です。年末調整で会社が処理してくれることがほとんどなので、実際には「扶養控除等申告書に正しく記入する」が実務上のやることになります。

  • 対象: 収入が一定額以下の配偶者・扶養家族がいる人
  • 手間: 年末調整の書類記入(会社が処理)
  • 節税額目安: 年約4〜8万円(家族構成・収入次第)

ライフイベント(結婚・出産・子どもの独立等)で状況が変わったら、勤務先への届け出を忘れずに。

まとめ

節税は、投資のリターンと違って結果が確実に手元に戻る手段です。利回りが不確定な投資と違い、申告や口座開設をするだけで確実に税金が減る。ある意味で、最も確実な「手取りを増やす方法」のひとつです。

「全部やらなきゃ」と思う必要はないので、まずは自分に該当する制度を知っている状態を作るだけで十分。タイミングが来たら使えるように備えておく、くらいの感覚で。

  • NISA・iDeCo: 会社員ならほぼ全員が検討すべき投資型節税。どちらを優先するかは状況次第(口座の使い分けは投資の入れ物記事で整理)
  • 住宅ローン控除: 持ち家購入者は必須。節税効果が最も大きい制度
  • 医療費控除・セルフメディケーション: 年間の医療費次第で使い分け
  • 生命保険料控除・地震保険料控除: 加入者なら年末調整に控除証明書を添付するだけ
  • 配偶者控除・扶養控除: 家族構成で自動適用。勤務先への届け出を正確に

ふるさと納税は「節税」ではなく「税金の振り替え+返礼品」という仕組みで、本記事では扱いませんでした。食費の節約との相性が良い制度なので、別記事で整理する予定です。

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